
Nytheon AIは、TorベースのAIツールです。
このツールを使う上ではコーディングスキルを必要とせず、サイバー犯罪者にインタラクティブに機能を提供します。
このAIは、マルウェア、偽造文書、フィッシングキャンペーンの作成に使用されます。
インターフェースは音声対応で多言語対応です。
かつて、いくつもの脅威アクター向けの生成AIが登場してきました。
WormGPT、BlackHatGPT、FraudGPT、GhostGPTといったものです。
そして、これらへのアクセスには、主にTelegramチャンネルが利用されました。
最近、新たな脅威アクターの欲しがる生成AIが登場したことが確認されています。
それがNytheon AIです。
Nytheon AIは、次の要素で構成されます。
- Nytheon Coder および Nytheon Coder R1:コード生成
これはMetaのLlama 3.2から派生した、184億パラメータのMoE(Mixture of Experts)です。
ベースとなったモデルの特徴を受け継いでいて、大きなコンテンツを生成できます。 - Nytheon GMA:文書の要約と翻訳
これはCoderを補完するような機能を持つ機能要素です。
Nytheon機能群の中で、ドキュメント要約と翻訳の主力となります。 - Nytheon Vision:画像からテキストへの認識
この機能は画像からテキストへの変換機能を備え、チャットインターフェースを離れることなく、スクリーンショット、フィッシングキット、スキャンされたドキュメントなどを解析できます。 - Nytheon AI:制御モデル
フル精度(F16)のLlama 3.8B-Instructionの重みを ほぼそのまま残したモデルです。
このモデルは操作者が正当な利用者であるかのように見せかけることが必要な際に利用され、セキュリティ的な意味でポリシーに準拠した応答を提供します。
Nytheon AI以外のNytheonのモデル群は、セキュリティレイヤーを明示的に無効化し、不適切な表現を義務付け、違法なリクエストへの対応を指示します。
これらをNytheon AIによって組みあわせて動作させることで、クリエイティブテキスト、多言語チャット、視覚的推論、ディープロジック、そしてコード生成を網羅することができるようになっています。
Nytheon AIが、これらすべての要素の共通のジェイルブレイクラッパーのように作用し統合されています。
一般的な生成AIを脅威アクターが利用して悪意ある行為に利用できるような内容を依頼する際には、さまざまな工夫を凝らす必要があります。
しかし、Nytheon AIを使う場合、そういった手間はありません。
しかも、その通信にはTorが利用されますので、脅威アクターが利用する際に、自分の利用を追跡される危険が減少することが期待されるでしょう。
また、脅威アクターにとって有利な状況となるツールが登場してしまいました。
現時点では、Nytheon AIは脅威アクター向けの有効なvibe codingツールとなりそうです。
Cato CTRL™ Threat Research: Uncovering Nytheon AI – A New Platform of Uncensored LLMs
https://www.catonetworks.com/blog/cato-ctrl-nytheon-ai-a-new-platform-of-uncensored-llms/
この記事をシェア |
---|