一風変わったマルウェア　Pandemic Pulse

世の中の状況に合わせて感染した環境を操作するマルウェアがあります。
そういうとまた新しいマルウェアなのかと思ってしまいますが、このマルウェアはすこし変わっているかもしれません。
こんなものです。

• COVID-19の感染の割合でCPUパワーを浪費する
  現在の実装での対象地域は米国です。
  stress-ng (macOS, Linux)、WindowsStress.exe (Windows)をその負荷として使用します。
• COVID-19の死亡の割合で画面の明るさを低下させる
  現在の実装での対象地域は米国です。
  デスクトップの上にオーバーレイを適用する形式で機能が実装されています。
• 個人データの取得、情報の乗っ取り、広告の表示を行わない
• インストールは利用者が任意で実施でき、いつでも一時停止またはオフにすることができる
  アプリケーションを停止または閉じると、これらのプロセスは完全に終了し、CPUとディスプレイは元の状態に戻ります。
• 開発者がソースコードをGithubに公開している
  jblinder / pandemic-pulse
  github.com/jblinder/pandemic-pulse
• Node.jsのパッケージとして作られている
  WindowsでもmacOSでもLinuxでも動作させることができるようになっています。

人々はパンデミックのためにこれまで以上にコンピュータを利用している場面や時間が増えているかもしれません。
そんな状況で、このソフトウェアは、パンデミックを常に身近に感じることができるようにしてくれるのかもしれません。
COVID-19パンデミックは1年以上続いていて、人々はパンデミックの脅威を非日常だと感じにくくなってきているのではないかと思いますが、このソフトウェアはそこに一石を投じるのでしょうか。

マルウェアという単語はmaliciousとsoftwareの2つの単語が組み合わされてできたものですので、意味はそのまま「悪意のあるソフトウェア」です。
では、このソフトウェアはマルウェアなのでしょうか。
たしかにこのソフトウェアは普通の便利のために利用するものではないかもしれません。
しかし、人々になんらかの益を提供するようにも思えます。

そのソフトウェアがどのようなものとなるのかについては、作る人と使う人によってこうも変わるのだなと感じました。

参考記事（外部リンク）：This malware slows down the computer in relation to the
number of COVID-19 cases that are reported in real time
www.cvbj.biz/2021/08/22/this-malware-slows-down-the-computer-in-relation-to-the-number-of-covid-19-cases-that-are-reported-in-real-time/