Chromiumの脆弱性へのGrafanaの対応

Grafanaは、オープンソースのデータ可視化プラットフォームです。
様々なデータソースから収集したデータをグラフやダッシュボードで表示・分析できるツールで、時系列データの可視化に優れています。
監視システムやパフォーマンス分析に広く利用されています。
このGrafanaでいくつかのChromiumの脆弱性に対策したものがリリースされています。

  • CVE-2025-5959
    CVSSスコア 8.8
    V8 JavaScriptおよびWebAssemblyエンジンの型混乱バグにより、細工されたHTMLページを介してサンドボックス内でリモートコード実行が可能
  • CVE-2025-6554
    CVSSスコア 8.1
    V8の型混乱により、攻撃者は悪意のあるHTMLページを介して任意のメモリの読み取り/書き込みを実行できる
  • CVE-2025-6191
    CVSSスコア 8.8
    V8の整数オーバーフローにより、境界外のメモリ アクセスが可能になり、コード実行につながる可能性がある
  • CVE-2025-6192
    CVSSスコア 8.8
    ChromeのMetricsコンポーネントのメモリ使用後脆弱性により、細工されたHTMLを介してヒープ破損が発生する可能性がある

これらはいずれも重大度が高く危険な内容となっています。
脆弱性のある場所はChromium(Chromeの基盤です)なのですが、その環境で動くGrafanaなどのアプリケーションも影響される範囲となります。
Grafanaはこれらの脆弱性への対策を実施した新しいバージョンをリリースしました。

関連する部分で対策がされることで特定の脆弱性については危険な状態を緩和することができる場合もあります。
しかしこれはChromiumの脆弱性をそのままにしてよい理由にはなりません。
Grafanaを脆弱なバージョンのChromiumで利用する場合に脆弱でなくなるものでしかなく、他のアプリケーションをChromiumで利用する場合は依然として脆弱な状態なのです。
Grafanaの改善は重要ですが、それ単体では十分ではありません。
脆弱性は全体的に対策がされることが安全への道となります。
漏れのない資産管理と適切なパッチケイデンスの維持で安全を確保していきましょう。

Grafana security update: Critical severity security release for CVE-2025-5959, CVE-2025-6554, CVE-2025-6191 and CVE-2025-6192 in Grafana Image Renderer plugin and Synthetic Monitoring Agent
https://grafana.com/blog/2025/07/02/grafana-security-update-critical-severity-security-release-for-cve-2025-5959-cve-2025-6554-cve-2025-6191-and-cve-2025-6192-in-grafana-image-renderer-plugin-and-synthetic-monitoring-agent/

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