Dark HunTOR、これは作戦名です。
この作戦の元に、世界各国の警察などの法執行機関が活動し、多くの成果をあげています。
「HunTOR」の部分は、hunterとTORでうまく命名してみた、というところでしょうか。
この作戦のトリガーは、DarkMarketの閉鎖でした。
ダークウェブ上で世界最大のブラックマーケットプレイスであるDarkMarketは、
ドイツ、オーストラリア、デンマーク、モルドバ、ウクライナ、英国(英国家犯罪対策庁)の法執行機関による国際的な活動の結果、2021年1月にテイクダウンされました。テイクダウン、要は閉鎖です。
DarkMarketは、当時最大のマーケットということだったのですが、以下の数字を見ると改めてその規模の大きさに驚きます。
- ほぼ50万人のユーザー
- 2400以上の売り手
- 32万件以上の取引
- 4650ビットコイン以上と12800モネロ以上の取り扱い
現在の価値でそれぞれおよそ320億円と4億円です。
一般の有名な通信販売の市場と比較するとユーザ数の多さなどはかなわないわけですが、そもそもDarkMarketでの取引は売り手側も買い手側も犯罪者なわけですから、そのインパクトが違います。
で、このDarkMarketのテイクダウン、ただテイクダウンしただけではなかった、ということです。
このテイクダウンの際に得られた証拠を当局が世界中の法執行機関に情報共有し、それをもとに犯罪捜査が展開されたわけです。
この犯罪捜査活動の作戦名がDark HunTORです。
この作戦の成果は、違法な商品の何万もの販売に従事した150のベンダーとバイヤーがヨーロッパとアメリカでの逮捕です。
これはあくまでも現時点での成果です。
作戦は現在もなお進行中です。
証拠はまだまだたくさんあります。
これからも逮捕の事例が増えていくことと思います。
ダークネットでの犯罪は実世界の犯罪に比較して、犯罪者の立場で言うと危険が少ないと考えられている部分があるのではないかと思われます。
実際に手を動かして犯す犯罪に比較して罪の意識も低いのかもしれません。
そんなこんなの関係で、いま、ダークネットでの犯罪が増加しているのだと思います。
しかし実際に実施されている内容は犯罪ですので、罰せられますし、逮捕されます。
こうした作戦活動がもっと広く案内されることで犯罪の抑止につながっていくとよいなと感じます。
参考記事(外部リンク):Dark HunTOR: Police arrested 150 people in dark web drug
bust
securityaffairs.co/wordpress/123818/cyber-crime/dark-huntor-operation.html
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