
「日本企業のセキュリティ対策は、世界と比べてどの程度の水準なのか。」
「自社が優先的に見直すべきポイントはどこなのか。」
こうした疑問に対し、実際のインターネット観測データをもとに分析したのがBitsightのサイバーリスク分析です。
2026年4月に開催したコンステラセキュリティジャパンのウェビナーでは、BitSight社のSolution Engineer 梶原 史雄氏が、日本企業のサイバーリスクの現状について解説しました。
本記事では、その内容をもとに、日本企業が抱える課題や世界との比較、そして企業が今後優先的に取り組みたいポイントを分かりやすく紹介します。
動画でご覧になりたい方へ
本記事は、2026年4月開催ウェビナー「データで見る日本のサイバーリスクの現在地」の内容を、読み物として再構成したものです。
グラフや解説を交えた約25分の講演をご覧になりたい方は、こちらのアーカイブ動画もぜひご覧ください。
日本企業のサイバーリスクは世界と比べてどうなのか
結論から言うと、日本企業のサイバーリスクはアジア平均を上回る一方、G7平均には届いていません。特に外部公開資産や脆弱性管理に改善の余地があることが分かっています。
Bitsightでは、世界中の企業や組織を継続的に分析し、サイバーリスクを300〜820のレーティングで評価しています。
その分析によると、日本のセキュリティレーティングは600でした。
比較すると、
- 日本:600
- G7平均:630
- アジア平均:560
となっており、日本はアジア平均より高いものの、G7各国と比べると改善の余地があることが分かります。
また、業界別では、防衛・航空宇宙分野ではG7平均を下回る一方、金融や一部サービス業では比較的高いレーティングとなっていました。
なぜBitsightは日本や世界のサイバーリスクを可視化できるのか
Bitsightの特徴は、アンケートや自己申告ではなく、インターネット上から観測できる客観的なデータを継続的に分析していることです。
Bitsightでは、次のような複数のデータを組み合わせて企業のリスクを分析しています。
- 世界中のIPv4・IPv6を対象とした独自スキャン
- マルウェア通信を観測するSinkhole
- ダークウェブ上の情報
- 公開サーバーやクラウド環境の情報
これらを組み合わせることで、
- 外部公開資産
- 公開されている脆弱性
- マルウェア感染状況
- ダークウェブでの認証情報漏えい
などを継続的に把握しています。
そのため、一時点の診断ではなく、継続的なサイバーリスク管理に活用できることが特徴です。
日本企業で特に改善が求められる3つのポイント
分析結果から、日本企業は「外部公開資産」「脆弱性管理」「古い設定」の3つが特に課題として挙げられました。
外部公開サーバーの脆弱性
ウェビナーでは、日本企業の外部公開サーバーには、
- G7平均比 約2.9倍の脆弱性
- CVSS9以上の重大な脆弱性は約2.6倍
という分析結果が紹介されました。
近年はVPN機器やファイアウォールなど、インターネットに公開されている機器を狙った攻撃が増えており、外部公開資産の継続的な管理が重要になっています。
SSL/TLS設定
古い暗号化方式への対応が残っているケースも紹介されました。互換性のために残されている設定が、セキュリティリスクにつながる可能性もあります。
OT機器の公開
工場などで利用されるOT(制御システム)が外部からアクセス可能な状態になっているケースも確認されています。ITだけでなく、OTを含めた公開資産管理も重要になっています。
分析から見えてきた日本企業の強み
G7各国と比較したとき、日本企業はすべての項目で劣っているわけではありません。
Bitsightの分析では、
- マルウェア感染
- ボットネット通信
- スパム送信
といった項目では、日本はG7各国と比較して良好な傾向でした。
つまり、日本企業は一定のセキュリティ対策が浸透している一方で、「外部公開資産の管理」という点に改善余地があることが読み取れます。
企業が今から取り組みたい3つのポイント
今回のウェビナーで紹介された内容を踏まえると、多くの企業が優先して確認したいポイントは次の3つです。
- 外部公開資産を把握する
自社がインターネット上からどのように見えているのかを把握することが第一歩です。 - 脆弱性管理を継続する
一度確認して終わりではなく、新たな脆弱性が公開された際にも継続的に確認できる体制が重要です。 - 取引先も含めてリスクを把握する
サプライチェーン攻撃が増える中、自社だけでなく委託先・取引先も含めたリスク管理が求められています。
まとめ
日本企業は、マルウェア感染などの観点では比較的良好な結果が見られる一方、外部公開資産や脆弱性管理には改善の余地があることが、Bitsightの分析から分かりました。
サイバー攻撃は、自社だけでなく取引先を経由して被害が広がるケースも増えています。まずは自社が外部からどのように見えているのかを把握し、優先順位を付けて対策を進めることが重要です。
Bitsightで自社・取引先のサイバーリスクを可視化
Bitsightは、インターネット上から観測できる情報をもとに、企業のサイバーセキュリティ状況を継続的に評価・可視化するセキュリティレーティングサービスです。
自社だけでなく、グループ会社や取引先の外部公開資産、脆弱性、セキュリティ上の課題を把握し、優先的に対応すべきリスクの整理に活用できます。
日本企業のサイバーリスクの現状を踏まえ、自社やサプライチェーンの状況を客観的に確認したい方は、こちらをご覧ください。
▼Bitsightのサービス詳細はこちら
関連コンテンツ
ウェビナー動画はこちら
本記事で紹介した内容は、約25分のウェビナー動画でも詳しく解説しています。グラフやデータを見ながら理解したい方は、ぜひアーカイブ動画もご覧ください。
SCS評価制度についてはこちら
同ウェビナー後半では、2026年度末開始予定の「SCS評価制度」についても解説しています。制度の概要や企業への影響を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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