【対談まとめ】SNS時代の情報作戦とは?|Cyabra社 × CSJ アナリスト

近年、ソーシャルメディアを介した偽情報の拡散が世界規模で深刻化しています。特に生成AIの発展により、その手法はより巧妙かつ高速になり、政治・経済・企業活動へも影響を及ぼしています。

本記事では、Cyabra社 CEO:ダン・ブラーミー氏と、弊社アナリスト:陶山 航による5つの対談動画の内容を要約しました。
「動画を観たいけど時間がない…」という方、まずはこちらで全体像をチェックしてみてください!

※対談の内容は2025年1月時点での情報に基づいております。予めご了承ください。

【PART 1】AIで作られる現実と日本への波及

グローバル vs 日本――偽情報の現状と広がり方の違い

📺 動画を見る(PART 1)(9分34秒)

PART 1では、2024年に世界各地で発生した選挙と、それに伴う偽情報の拡散について取り上げました。ダン氏は、ロシアや中国、イランによる国家主導のディスインフォメーションが活発化し、ディープフェイクやハッシュタグの乗っ取りによって、企業やブランドまでもが巻き込まれる事例への懸念を解説しました。

これに対して陶山は、日本における偽情報は主に政治分野に集中しており、企業活動にまで深く影響するケースはまだ少ないとしつつも、SNSの影響力が高まる中で、その境界が曖昧になりつつあると警鐘を鳴らしています。

【PART 2】AIが変える脅威アクターと認知戦の時代

AIが変える“偽情報の質”と“スピード”

📺 動画を見る(PART 2)(9分37秒)

ダン氏は、AIの進化により偽情報の発信元、内容、拡散手段のすべてが簡単に偽装可能になったと指摘しています。検知技術は重要ではあるが、より本質的には拡散の兆候を読み取り、事前に対応判断ができる“予測型”の備えが不可欠だと強調しました。

陶山は、日本におけるAI利用の多くは現時点で比較的初歩的であると分析しつつ、今後技術が洗練されれば、より巧妙な情報操作が可能になると指摘しています。情報の真偽を見極める力の重要性について論じています。

【PART 3】誰もが“攻撃者”になれる時代の脅威

誰でも“攻撃者”になれる時代――簡易化される情報操作

📺 動画を見る(PART 3)(8分41秒)

PART 3では、偽情報の「作りやすさ」が新たなリスクであることが語られました。ダン氏は「誰もがボタン一つで攻撃者になれる時代」と表現し、文化や言語に適応した偽情報が簡単に生成され、広範に拡散される現実を強調しました。

陶山は、こうしたリスクに対しては技術的対応に加え、政府とSNSプラットフォーム、社会全体が連携した多層的な対策が必要であると主張しました。特に、日本では法整備や国際的なプラットフォームとの連携が今後の課題であるとしました。

【PART 4】生成AIが塗り替える“認知の地政学”と揺らぐ情報社会の信頼基盤

分断と不信――メディアへの信頼が揺らぐ時代

📺 動画を見る(PART 4)(10分13秒)

ダン氏は、信頼性のあるメディアであっても人々の信頼を十分に得られなくなっている現状に懸念を示しました。テクノロジーが偽情報に対応できるようになる頃には、すでに社会の信頼基盤が崩れている可能性があると指摘しています。

陶山はさらに、AI技術の進化により、中国やロシアといった権威主義国家が自国のナラティブを組み込んだ生成AIを展開し、世界中の“認知領域”に影響を及ぼす可能性を懸念しています。日本の若年層がSNSに依存する傾向を踏まえ、こうした影響が将来的に国内世論にも波及する恐れがあるとしています。

【PART 5】“情報戦争”時代の対抗策と分断を越える連携の模索

偽情報にどう立ち向かうか――技術と国際協調の可能性

📺 動画を見る(PART 5)(10分46秒)

最終パートでは、偽情報への対策として何が有効かが議論されました。ダン氏は、AI技術は「攻撃」だけでなく「防御」にも応用可能であり、グローバルなAI規制と標準化の整備こそが長期的な解決策であると述べました。

陶山も政策面での対応の重要性を強調しました。防御と攻撃が同じ技術基盤にある以上、技術だけで防御側の優位性を保つことは困難であり、法制度や国際協調の重要性がますます高まっているとしています。

両者ともに、多国間での連携と共通の規範作りがカギになるとの認識で一致しました。

おわりに

情報が企業の信用や意思決定に直結する時代において、偽情報への備えは経営戦略の一環であると言っても過言ではありません。本対談を通じて見えてきたのは、技術的対応だけでなく、社会・法制度・国際的枠組みとの連携が不可欠であるということです。

自社の情報リスクをどのように管理し、信頼をどう築いていくのか。変化の激しい時代だからこそ、今一度、組織全体で向き合うべき課題といえるでしょう。

Cyabraとは

Cyabraは、AIドリブンのSNS分析プラットフォームです。疑わしいコンテンツを検出し、分析をサポートします。

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